Nikon Z8:ファーストインプレッション

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発売日

朝早く届けてくれました。実物を見たり触ったりもせずにカメラを買ったのはZ50に次いで2回目です。ダンナのZ9を見ていたせいか、いくぶんコンパクトに見えますが、Z50とくらべると二回りほど大きそうです。

ダンナが予め買っておいた液晶保護ガラスやストラップを付け終わるまでは触らせてくれません。おっちょこちょいな私の性格を見抜かれています。「落下重体水没死亡」の標語とともに、カメラはストラップを首にかけてから持つ、という教育を受けています。

ボディ単体

予め充電していた予備の電池とメディアカードが入れられ、手渡されました。はじめてのZ8ちゃんです。

うーん、決して軽いとは言いませんが、これならいける、と思いました。
グリップが持ちやすく、Z50とは異なる剛性感が手に伝わってきます。密度が高いという感じでしょうか。マグネシウム合金が使われたフラグシップボディのオーラなのでしょうか。これは「タダモノではない」感じがみなぎっているのです。

これは体を鍛えなおしてでも使いこなせるようになろうと心に決めました。そういう思いにさせてくれるカメラだと思います。

儀式

ダンナは写真が仕事なので、比較的短いサイクルで仕事用カメラを買っています。医療・獣医療域の現場の撮影なので、いつも人に見せられないような内蔵の写真が専門です。そんな写真ばかり撮っていると自分も滅入るようで、野鳥撮影をはじめたのもその反動からかもしれません。内蔵の写真ばかりだとカメラが可哀そうだと思うようで、いつも新しいカメラを買うと、最初の1枚は私の写真を撮ることに決めているようです。カメラの変遷とともに、歳とっていく伴侶の姿を思い出として記録する意味もあるのでしょうか。
特に昨今のカメラはAIが搭載されているから、「最初に見た人をママだと思うかもしれない」、などと訳の分からないことを言って今回も最初の1枚は24-120mmを付けて私の写真でした。
「ジャイアントロボだって最初に時計型コントローラーに話した少年の言うことしか聞かなくなったじゃん」と言っていますが、私は見ていないので何のことだか良く分かりません。

実際は人物の瞳検出機能のチェックが主たる目的だったようです。「すげえ、まつ毛にピント来てる」と言っていたので、合格のようです。

Z8+NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S

863との相性はどうでしょうか。

これは思った以上に好印象でした。総合的には460g増えているのですが、ボディが重くなっただけなので、システム全体としては重心位置がレンズのボディ側に移動することになり、より持ちやすくなりました。数センチの差なのですが、Z50との組み合わせではコントロールリングよりも先端側に重心点がありました。Z8を取り付けた場合はコントロールリングとフォーカスリングの丁度中間あたりが重心点となります。そのあたりを持つとバランスがとれ、コントロールリングもフォーカスリングもアクセス可能になります。重心点だけを考えると、 Z8+NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S は理想的なバランスだと思いました。

誤解なきよう、繰り返しますが、決して軽くはありません。正直、私にとっては何でこんな重いんだと思うほどの重さです。物理的に単純計算で910g+2385gで、3295gあります。約3.3kgです。

でも、3kgの鉄アレイを持つのとはわけが違います。この最高のツールで大好きな野鳥をより綺麗に鮮明に写すことができるという期待感が大きく膨らみ、心理的に軽く感じるようになるのだと思います。公園に行って、カメラとレンズをセットし終わると、アドレナリンが噴出するのでしょう。重さを感じなくなってしまうのです。

一方で、一日中歩き回ってもほとんど鳥が見つからない「スカ」の日もあります。そんな日はだんだん重く感じるようになります。「私はなんでこんな重いものを持ち歩いているんだろう」と悲しくなることもあります。
そんな時にも、帰り支度をする直前にアオジパラダイスに遭遇したりすると、疲れは一気に吹っ飛び、軽々とレンズをふり回している自分に気づいたりします。
人間はすこぶる精神的な生き物だと実感します。

ファインダー

Z8を使って最初に驚いたのはファインダーです。明るく、大きく見え、細部まではっきり見えます。Z50を3年半使っていたのでEVFには馴れていましたが、Z8のファインダーは全くの別物です。諧調も豊かで、露出補正も遥かにやりやすくなりました。バッテリーの消費を抑えるために 「ファインダーの高フレームレート表示」 は使わず、デフォルトのままですが、何の不満もありません。

AF(動物検出、瞳検出)

Z50からのステップアップとしてZ8を選んだ第一の理由はこのZ9ゆずりの動物検出機能付きのAFです。まさに目から鱗です。ほとんどの野鳥はZ8を向けるだけで鳥の姿を認識して、目が見えていれば目に自動的にフォーカスポイントを設置してくれます。シャッターを半押しするだけで目にバッチリピントが合った写真が撮れます。正直、今までの苦労は何だったんだろうと思うほどの進化です。

今までは、何となく高価なカメラほど扱いがどんどん難しくなるのではないかというイメージを持っていましたが、実際は逆でした。進化した最新のカメラほどカメラ任せにできることが増え、撮影はどんどん楽になってきます。

つまらなくなったとボヤく人もいるようですが、カメラマンはその恩恵によって余裕が生まれるので、構図を変えたり、良いポーズを狙ったりと、写真の質を高めることに専念できるようになるはずです。最新の道具は使いようだと思います。
自分も使いこなせるようにさらなる修行が必要ですが、AFの進化は確実に私たちの可能性を高めてくれるでしょう。

手ブレ補正

世の中に手ブレ補正がなかったら私は野鳥撮影なんかやってなかった、というか、できなかったでしょう。最近のレンズやカメラの手ブレ補正機能には目を見張るものがあります。

Z50にはボディ内手ブレ補正がありませんでした。しかし、Z50で使ってきた556も863もレンズ内に強力な手ブレ補正機構が付いていたので、ずっと手持ちにこだわって野鳥撮影に挑んで来れました。狙っている野鳥がブッシュに潜んでいるような小型の鳥なので、三脚なんか使ったら撮影はできません。どんなに重くても手持ちで、ミリ単位で撮影位置を上下左右前後に移動して枝被りを回避しながら撮影するのが醍醐味です。そのため、手ブレ補正は必須の機能です。
863の手ブレ補正効果は優秀で、5段分の補正効果がありました。

Z8はボディ内にも手ブレ補正機能が組み込まれています。レンズのVRとボディのVRがシンクロして5.5段分の補正効果が実現されます。レンズだけで5段なので、ボディと合わせて10段くらい行けるのかと思いましたが、そんなオイシイ話はなく、実際は0.5段増えただけです。それでも、静物であれば約1/25秒くらいまで手持ち撮影できるということです。驚異的です。野鳥は被写体ブレがあるので、そこまでシャッター速度を落とすことはありませんが、1/100秒あたりの成功率は今までよりもかなり上がることでしょう。

手持ち1/25秒のアップ
歩留まりは悪くなりますが、1/15秒にチャレンジ。動かないものでしたら不可能ではありません。

レビュー動画

ファーストインプレッションを動画にまとめてみました。

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Nikon Z 8 ボディ

Nikon Z9の縦位置グリップをなくして小型軽量化を実現したカメラです。
Z9の機能をほぼそのまま継承しているので、野鳥撮影にも最適です。もちろん、鳥を認識して目にフォーカスを合わせてくれます。縦位置を多用しない方にはおすすめです。
重さもZ9の1340gからZ8は910gと軽量化されています。フィールドで持ち歩くには最適で、女性にもおすすめです。

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Z9用ですが、液晶サイズが同じなので、Z8にも問題なく使えます。
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位相フレネルレンズ採用の通称ロクロクサンと呼ばれる600mmF6.3の単焦点レンズです。
全長278mm、重量1470gで、600mmの焦点距離からは想像できないほど小型軽量です。レンズ単体で5.5段、Z9やZ8との組み合わせではシンクロVR機構によって6段分のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると900mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで840mmF9、1200mmF13、DXで1260mmF9相当、1680mmF13相当となります。
最短撮影距離が4mなので、野鳥が近い公園などでは有利となります。

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NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S

位相フレネルレンズ採用の通称ハチロクサンと呼ばれる800mmF6.3の単焦点レンズです。
800mmの超望遠レンズとしては驚くほど小型軽量で、全長385mm、重量2385gしかありません。レンズ単体で5段分、Z9やZ8との組み合わせでは、シンクロVR機構によって5.5段のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると1200mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで1120mmF9、1600mmF13、DXで1680mmF9相当、2400mmF13相当となります。 最短撮影距離が5mあります。野鳥が遠い公園や小型の野鳥を大きく写したいときに有利となります。
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