Nikon D5600 野鳥撮影のための設定:前編(01)

主人の記事に書いてあるように、最初に使ったD5600ダブルっズームキットから、レンズは更新していますが、基本的な使い方は同じです。ダンナが写真家なので、とにかく基礎をみっちり教え込まれました。超文系の私が理解できるのかどうか、最初は不安でしたが、いっぺんに理解しようとせず、ちょっとずつクリアしていけば何とかなります。
野鳥は動き回りますし、野鳥の色も背景の色も刻々と変わります。すべてカメラ任せのオートで何でもばっちり撮れるほどカメラはまだ進化していません。カメラの仕組みを理解せず、オートで撮ると、ほとんど失敗写真になることがわかるでしょう。カメラのせいにする人がいますが、それは間違いです。カメラというものを理解して、設定してあげれば、カメラはきちんとそれに応えてくれます。
ちょっとずつでいいので、理解していきましょう。

スポンサーリンク

はじめに

一眼レフカメラをはじめて扱う人にとって、カメラの設定がまず最初の難関だと思います。もちろん、私も最初は何もわかりませんでした。相方がたまたま写真家だったため、初期設定はすべてやってくれたので初日から何とかうまく撮れましたが、一人だったら何をどうしたら良いのか、まったくわからなかったでしょう。うまく撮れなかったら、途中であきらめてしまっていたかもしれません。

せっかく芽生えた皆様の野鳥撮影への意欲が失われないためにも、また自分の備忘録のためもかねて、自分のカメラの各種設定を記録しておきます。なお、この設定は自分に合った設定であって、皆様と共通である保障はありませんし、様々な考えがあると思いますので、参考程度にお考えください。

重要な2つの設定

写真撮影で気をつけなければいけないことはたくさんありますが、初心者が最も理解しづらく、失敗の原因となる項目が二つあります。 撮るものが何であれ、 それは露出とフォーカスだと思います。
相方の受け売りですが、カメラを買って、最初に徹底して教えられたことがこの2つです。

露出

どのような被写体でも、その場所の光の状況に応じた適正露出というものがあります。被写体の色、光の強さなどによって、カメラのレンズを通して入ってくる光の量を調整しなくてはなりません。そのためにレンズには絞りがあって光の量を調整し、ボディにはシャッターがあって、光をあてる時間を調整します。絞りかシャッター速度、もしくはその両方を調整してフィルムやセンサーにあたる光の量を調整する必要があります。

適正露出は、概ねカメラが教えてくれます。現在のカメラには、露出計が内臓されているため、どの程度の光の量で写るかの目安を示してくれます。絞りとシャッター速度を調整して適正露出にする必要がありますが、それを全部手動で行うには熟練が必要なので、現在のカメラには様々な露出モードが搭載され、カメラのコンピュータが露出の補助をしてくれています。

露出モード

現在の多くのカメラには、いくつかの露出モードが搭載されています。露出モードにはP(プログラムオート)、S(シャッター速度優先)、A(絞り優先)、M(マニュアル)の代表的な4つのモードがあり、どのメーカーの一眼レフカメラでも、必ず搭載されているモードです。

P(プログラムオート)

Pのモードは、本来人間が調整すべき絞りとシャッター速度をカメラのコンピュータに任せてしまう方法です。人間はシャッターを押すだけで、カメラは被写体の適正露出を求め、絞りとシャッター速度をうまいこと調整してくれます。何も考えなくても、ある程度写ってくれる反面、表現が乏しくなります。

S(シャッター速度優先)

人間がシャッター速度を決めると、適性露出になるようにカメラのコンピュータが絞りを決めてくれるモードです。動きの速いスポーツシーンなどで、シャッター速度を自分でコントロールしたい場合に使います。

A(絞り優先)

人間が絞りを決め、その絞り値に対して適性露出となるシャッター速度をカメラのコンピュータに決めさせるモードです。シャッター速度よりも、解像度や被写界深度を優先したい場合に使用します。

M(マニュアル)

シャッター速度も絞りも自分で決めるモードです。

この中で、すすめられたモードはA(絞り優先)モードです。鳥を撮るときは、レンズが持つ最高のポテンシャルを引き出して撮りたいし、鳥を引き立てるため、ごちゃごちゃした背景をできるだけぼかしてすっきりさせたいからです。

カメラのレンズは、一般的に絞り解放で最も解像度が高いものですが、ズームレンズなどは解放だと収差などによってコントラストが低下することがあります。私がメインで使用している200-500ズームでは、テストの結果、F8付近の写りが最も良かったので、日中明るい状況ではほぼF8固定で使っています。絞り優先モードなので、被写体の色や明るさに応じてカメラが適切なシャッター速度を選択してくれます。
夕方になって暗くなったり、森林の中で被写体が暗い場合はF8から徐々に開け、最終的にはF5.6の解放で使用します。

明るい場所で、前後にピントが合う範囲を広げたい場合は、より絞り込んで使うこともありますが、F16以上は使いません。あまり絞ると像がぼやけてしまうからです。

測光モード

画面上のどこの明るさを測るかを指定します。D5600には、マルチパターン測光、中央部重点測光、スポット測光の3種類があります。野鳥撮影の場合は、ピンポイントで野鳥の明るさを測りたいので、スポット測光が適しています。スポット測光の位置と範囲は、概ね次に述べるフォーカスエリアと重なっています。
スポット測光も万能ではなく、周囲の明るさなどに影響を受けます。そのため、本来は露出補正をする必要がありますが、スポット測光にしておけば、概ね露出は合うでしょう。ただし、周りが極端に明るかったり暗かったり、もしくは、ターゲットが真っ白だったり真っ黒だったりする場合は補正する必要がでてきます。露出補正については後述します。野鳥を撮るのがはじめての人は、とりあえずはスポット測光で試してみてください。その結果を見ると、もう少し明るく写したいとか、暗く写したいと思うようになるものです。

感度

ISO感度は25600までのオートにしてあります。D5600は優秀なカメラで、絞り優先モードで感度をオートにすると、シャッター速度と感度の両方で露出を調整してくれます。基本的には低感度で手振れしない限界までシャッター速度で調整し、手振れ限界のシャッター速度でも露出が足りない場合は感度を上げるアルゴリズムになっているようです。私の場合は、200-500mmF5.6のズームを使っているので、望遠端で使っているときは、暗くなるにつれて、シャッター速度は1/800まで下がり、その後は感度が上がり、感度が上限に達すると再びシャッター速度を下げるといった動きをします。F値だけではなく、レンズの焦点距離もアルゴリズムの中に組み込まれています。
ただし、感度が上がると画質は急に悪くなるので、感度を常時表示して、上がり過ぎたらもう撮影の限界と判断しています。許せる高感度の範囲は人によると思いますが、D5600でしたら、ISO6400位でかなりノイジーになってきます。ISO10000を超えると、もう使える画質ではなくなってきますので、その辺が撮影の限界と思っています。

フォーカス

現在のカメラには、多彩なピント合わせの方式が搭載されています。まずはそれらの意味を理解するのが一苦労でした。ここでは、フォーカスエリア、フォーカスモードについて説明します。

AFエリアモード

画面の中のどこにピントを合わせるかを選択します。D5600には、画面全体に39点のフォーカスポイントがあります。フォーカスエリアは、この39点の中から何点を使うかを指定します。この中で、指定されたフォーカスポイントと重なる被写体にピントが合います。

最もシンプルなのは、シングルポイントです。指定した1点と重なる被写体にピントが合うだけです。ピントを合わせる1点は、39点の中から任意に選べます。

その他、 ダイナミックAF 9点、21点、39点などがあります。中央の1点を優先して、中央1点のピントが外れたり、コントラストが低くてターゲットを見失ったりした場合にその外側の点がカバーするように動作します。

3D-トラッキング というモードもありますが、特定の色を追いかけるモードです。野鳥を追っているときに、とっさにカメラに色を覚えさせたりする余裕がないので、難しいかもしれません。カワセミなどの特徴的な色で、枝にとまっている時に合わせられれば有効かもしれません。

オートエリアAFは39点のフォーカスエリアをすべて使い、側近の被写体を判別してそこにピントを合わせようとします。空を飛ぶ鳥などには良い結果をもたらしますが、周りに枝があったり、背景にコントラストが強いものがあると。そちらにフォーカスが引きづられてしまうことがあります。

このように、様々なAFエリアモードがありますが、どれも一長一短で、本来は状況に応じて切り替える必要があるのでしょう。しかし、実際のフィールドでは、鳥は突然現れて、数秒が勝負なので、設定を切り替えたりする余裕はありません。そのため、どんなシチュエーションでもそこそこ満足できるモードにしておくのが一番です。

シングルポイントが1番分かりやすく、狙ったところに合わせやすいモードですが、初心者の私にとって、手持ち撮影では最初は1点をターゲットに合わせるのが難しく、ピントを合わせられませんでした。そのため、最初はダイナミックAFの9点をすすめられました。中央の1点が優先されますが、ピントが外れた場合にその周りの8点で合わせようとするモードです。ある程度の面積があるので、多少ターゲットの鳥からずれてもピント合わせを行ってくれます。

フォーカスモード

シャッターボタンを半押しにするとオートフォーカスが作動しますが、ピントが合った後、どう動かすかの設定がフォーカスモードの設定です。主にAF-S(シングル)とAF-C(コンティニュアス)があります。

AF-Sはピントが合うとそこでフォーカスの動作が止まるモードです。そのままシャッターを全押しすると写真が撮れます。半押ししている間はピントが固定されるので、ピント合わせをした後、構図を変えたりするときには便利なモードです。

AF-Cはシャッターを半押しにしている間、ずっとフォーカシングの動作を続けるモードです。野鳥のように、常に動き回っている被写体の場合は、AF-Cの方が合っています。常にピント合わせをしているので、こちらに向かって飛んで来る鳥を連射してもピントが合います。

野鳥撮影をはじめたばかりの頃は、なかなかフォーカスエリアを鳥と重ねられないものです。その際、AF-Cにしていると、すぐに関係ない枝や、背景にピントが合ってしまいます。ピントがずれている間に鳥がもういなくなっていて、悔しい想いをします。そのため、馴れるまでの数ヵ月間はAF-Sを使っていました。確実にピントが合って止まったら撮る、という撮影法です。
しかし、馴れてくると鳥の動きを追いかけられるようになりますし、動いたときや連写した時のピント精度が高いので、その後はAF-Cで使っています。

その他にカメラ任せにAF-SとAF-Cを自動で切り替えるAF-Aのモードがありますが、野鳥撮影には向いていません。

まとめ

私も、最初は何が何だか分かりませんでした。とにかく言われるがままの設定で撮影して、その結果を見て調整をするという方法をとりました。最初からすべての理屈を理解して設定をするよりも、先ずは先達の教えに従い、とにかく撮ってみて、その画像を分析して、カメラを調整する、というやり方です。何事も、まず失敗してみないと理屈だけでは分からないものです。

最初の設定をまとめると次のようになります。

  • 撮影モード → 絞り優先モード(A)
  • 絞り → 晴天や明るい状況ならF8、曇天や暗い森の中なら開放
  • 測光モード → スポット測光
  • 感度 → オート(25600)
  • フォーカスエリアモード → ダイナミック9点
  • フォーカスモード → コンティニュアス(AF-C)
  • レンズのVR → ON

まずは、この設定で撮影してみてください。概ねうまく撮れると思います。

しかし、様々なシチュエーションで撮影していると、このままだとダメな場合もあるということに気づくはずです。鳥が白く飛んでしまったり、黒くつぶれてしまったり、どうしてもフォーカスが合わないなど、様々な問題が発生すると思います。そう思いはじめたら露出補正やフォーカスモードの変更が必要になってきます。
それは後編(02)で。