ありがたいことに、今年も緑書房さんから依頼をいただきまして、2024年版のカレンダーを製作することになりました。
画像選定
カレンダーの仕事はいつも4月頃からはじまります。一般書籍と異なり、カレンダーは年内に売り切らなければならないので、8月末頃には販売開始している必要があります。写真が命なので、選別だけで2ヵ月ほどかかります。野鳥は二人で年間30万枚ほど撮るので、その中からベストな14枚を選定するのがかなり大変な作業になります。特に表紙はカレンダーの顔になりますので、最初に時間をかけて選別します。
表紙のみ文字やロゴなどのデザインが入るので、表紙の画像のみ先に送ります。例年、いくつか候補をお送りして、緑書房さんの鳥好き社員さんの投票で決定する方式にしています。
今回は緑書房さんの社内アンケートで、ダントツ1位でメジロちゃんになりました。
身近な野鳥カレンダー2024
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身近な野鳥カレンダー2024 ●壁掛タイプ ●B4判(257mm×364mm) ●14枚綴り ●1月はじまり ●日曜はじまり ●便利な前後月付き ●六曜入り 出版社 : 緑書房 (2023/9/25) 発売日 : 2023/9/25 ISBN-10 : 4895319296 ISBN-13 : 978-4895319294 価格:1,760円 身近なカワイイ野鳥カレンダーです。 |
中面
1年12ヵ月ですが、表紙と2025年1月用の画像も必要なので、全部で14枚になります。
季節に合った野鳥でないといけないので、月毎に候補を洗い出し、その中から絞り込んで行きます。
カレンダー写真は特殊な分野だと思います。B4サイズですが、一般的な展覧会の写真などと違って大判印刷なのに至近距離で見られることが前提です。写真展などでは少し距離をとって鑑賞しますが、カレンダーは数十センチの距離から細部を見られます。したがって、B4サイズの印刷物を数十センチの距離で見られても破綻しない解像度やピント精度が要求されます。
それが実現できない画像はすべてボツにして、徐々に絞り込んで行きます。
最終的に表紙以外の13枚を決めて出版社に送ります。その作業を5月中に行わなければなりません。
鳥種に関しては完全に独断です。身近な野鳥はたくさんいますが、どうしても私たちが特に好きな鳥種に偏ってしまいますが、こればかりは仕方ありません。個人的に「かわいい」と思える野鳥が基準となってしまっています。
キャプション
写真が決まったらキャプションを製作します。写真の決定とともに考えて、同時に送ります。鳥種の生物としての情報は図鑑などを参照いただくとして、ここでは私たちのその鳥への思い入れやエピソードなどを元に書かせていただきました。
校正
各ページの校正を編集部とPDFデータで何度か行います。
そして最終的に本紙校正を行います。本紙校正は実際に製品で使う紙と印刷機を使用して印刷したものをチェックする作業です。紙や印刷機、その調整によって色味は結構変わるので、そこでさらに細かい校正を行います。
印刷
8月末に印刷ができました。いつもながら大変きれいに仕上げてくれます。
発売
全国書店、文具店、インターネットで販売が開始されました。
各月の写真の説明
PhotoMonographの方に詳しい解説がありますので、撮影データなどが参考になるようでしたらそちらを参照くださいませ。
過去のカレンダー
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